04th 1月2013

2013年、新年のごあいさつ

by paco

2013年新年3

2013年 新年のごあいさつ

(by paco)2013年が明けました。毎年の例にならって、旧年の振り返りと、新年に向けた宣言をまとめたいと思います。
いわゆる年賀状をやめて10年以上になります。毎年、「ごあいさつ」を書いてきましたが、2003年からのバックナンバーをまとめました(→Click!)。

■2012→2013、時計の針は戻ってしまった

一昨年、2011年3月11日に日本は大震災に見舞われ、津波による被害、そして原発災害を経験した。それまでに、日本は「失われた20年」と呼ばれるような低迷状態にあり、脱出できていなかったとされていますが、この震災を契機に、「なにかが変わる」と期待された。

震災から1年9か月、2012年12月に総選挙が行われ、自民党が圧勝した。原発推進、TPP推進、憲法改正という先祖返り政策を掲げた政党が圧勝。しかしこの勝利は、特に小選挙区では、全有権者の30%未満の支持し受けていないにもかかわらず、圧勝してしまうという矛盾を露呈する結果にもなった。

これだけの原発事故が起こしながらも、その原発を推進した政党がまったくの自己批判もしないで、さらに原発を推進すると主張して圧勝するという奇妙なことが起きた。国民の80%は原発を使い続けることに反対というデータさえあるというのに。

なぜ、時計の針を戻すような選択が行われたのか。facebook上で僕は簡易的なアンケートを実施して、その背景を探った(→Click!)。 わかったことは、自民党や維新の会などに投票した人たちも、変化は期待している、ということ。多くの日本人は変化を期待しているが、これまでと違う政策(脱原発や反TPP)を掲げた政党(日本未来の党など)に投票する人もいれば、自民党に投票する人もいる。その違いは、「変える政策」に注目した人と、これまでと違うことを実際に取り組める「実行力を持っている人」の、ふたつに分かれたといえる。
どちらも変化は期待した。しかし、変化を掲げた政党は敗退し、変化を起こす実力のある政党(自民党・公明党)は、時計の針を逆に回す方向に実行力を発揮しはじめた。
どちらを選んでも、国民の「新しい方向に変えたい」の意思は今回の実行されないというジレンマに陥っている。
facebookやtwitterでは、こんな時代だから、自分は目の前にあることを精一杯やる、という宣言であふれているようにも見える。「今が一番大事」というメッセージも目に付く。しかし。僕から見ると、いずれも、近視眼的で視野が狭く、引きこもりのように見える。
日本人は展望を持つのが苦手だ。だから、「今がだいじ」「自分にできること」しか、なかなか、視野に入らない。しかし、ここが持ち場でがんばれが状況が変わることが期待しつつ、20年は過ぎ去った。その方法ではうまくいかないのだと思う。
僕がなぜこういった政治的なことを前書きに書くかというと、今、こういった政治上の圧力が、個人のビジネス上、生活上のアクションを露骨に製薬しつつあるからだ。新しいこと、変化を起こすことをやろうとすると、一定のところまでは行けてもその先に進めない。NPOを中心に、少し社会性のあることをやろうとすると、初速を越えたあたりで猛烈な風圧に合い、行き詰まったり、ものすごいエネルギーが必要になることがほとんどだ。企業の中で考えても、CSRやダイバーシティ、社員に対する公正な扱い、障がい者雇用など、「できればいい」のに、できないことが多いのは、個人でがんばればいいことではないからだ。自分のポジションに留まっていては、やるべきことが実現できない状況と、政治的状況は密接に関係している。

だからこそ。

視野を広げ、時間軸をもち、本質を理解できる人が増やしたい。目の前のことではなく、遠くを見て、大きなことに向かって今を進まないと、今の努力が無になる。

こういう考え方や行動を広めていくべきだろうと再確認する2013年。

■2012年のレビュー

では、改めて、去年、何をめざし、何が実現できたのかを確認したい。
2012年、年初に目標にしたこと(→Click!)を軸にレビューする。

(1)<おとなの社会科>は「戦略思考、原理原則思考ができる人材の育成」を目標に、セミナーの集客に力を入れる。

<おとなの社会科>は、企業研修と、僕が主催するセミナーの両方を進めてきた。原理原則思考は、どのセミナー・研修でも<おとなの社会科>の目的として伝えている。昨年、特徴的だったのは、原理原則思考のもっとも根源的な内容である、哲学・倫理学のコンテンツが提供できた点。マイケル・サンデルの「正義(白熱教室)」の内容をベースに、さまざまな事象を原理に照らして考え判断する学びを提供した。中外製薬では「道未知のものごとを判断するための仮説思考」育成というねらいのもと、研修を行い、実績を上げた。未来創造研修のコンテンツとして採用した企業もあり、ここでは2050年頃の世界をデータを使って展望しつつ、そこに至る道筋を画くプロジェクト型の研修を行い、評価を得ている。

<おとなの社会科>は従来のスキルを身につける研修では対応できない、価値判断や長期展望をもてる人材育成のためのコンテンツとして、さまざまな展開で提供している。その点では、昨年の目標は十分クリアできたと思う。

とはいえ、企業研修が予想を超えて評価を受けたことに比べて、主宰セミナーへの集客は伸び悩んでいて、昨年の目標の最後の部分はまだ道半ばだ。

もうひとつ、年初の予定にはなかったが、((( c l u b  p a c o ))) (→Click!)という新しいサービスをはじめた。100名限定のパーソナルサービスだが、これも予定通りの成果は上げていない。もとより、ものごとがねらい通り行く予定でやってはいないので想定内だが、チャレンジは続けなければならない。

(2)【エネこみ】は来年の総選挙に向けて行動する

【エネこみ】は、エネルギー政策をどのようにしていけばいいのかを理解する市民をふやし、その観点で政治を選べる市民の育成を目的に活動した。しかし、無償のセミナーを月1回開催したものの、こちらも参加者が限定され、続けられなかった。原発事故の記憶が薄れ、一方で国の政策が脱原発から少しずつ後退し、大飯原発再稼働にまで至ったことは、原発問題に興味のある人さえ、白けさせ、【エネこみ】も活動の意味を見出しにくくなった。
その一方で、「再稼働反対デモ」は首相官邸前で一時は10万人を超える規模にまでなり、地方都市にも広がったことから、世論は脱原発に動き、ひとまず原発問題の世論はかたまったかに見えた、子のことも【エネこみ】の活動収縮につながってしまった。しかし、これが判断ミスだったことは、年末の選挙の結果を見れば明らかだ。続けていれば良かったとは言わないものの、力不足を感じる。
とはいえ、【エネこみ】サイト(→Click!)は予定したカタチに仕上がり、基本情報のまとめはできているので、今後の活動の足がかりにはできるのが、去年のいまごろとは違うところだ。

(3)論理思考は<おとなの社会科>との融合をめざす

企業向けのロジカルシンキング研修は、昨年も多数実施いただいた。とはいえ、内容は多様化が進み、上級版、入門版、テーマを競っていたピンポイント版など、バリエーションを増やす形でニーズに応えてきたのが実態だ。

各社、ロジカルシンキング研修は一巡した感があり、いったん学んでから、次に何をやるべきか。1回の研修でつけられる力は限界があることを理解した上で、どういったないようにするべきかが模索されている。基本的に、僕はパッケージ化されたカリキュラムをそのまま実施するよりは、カスタマイズするほうがよいので、この傾向は歓迎できる。昨年リリースしたものとしては、「ロジカルシンキング・エントリー」「仮説思考」「情報収集力」「実践型ロジカルシンキング」「ロジカルファシリテーション」などを作ってきた。

(4)情報発信力を上げる

情報発信はfacebookが中心になった。メール、メルマガ(水族館文庫MailNews)、twitterは次第に利用頻度が落ちている。facebookの友だち数はtwitterのフォロアーを越えてきているし、発信に対する反応もよい。とはいえ、より広い人々へのアクセスルートは開拓する必要がある。

(5)写真、音楽

このふたつは純粋に趣味としてやってきた。写真はデジタルを中心にしつつも、フィルムをコンスタントにとって発表している。
フィルム写真→ R-Side(→Click!
デジタル写真→pcxtoday(→Click!
エレキギターは月2回ペースでレッスンを受けつつ、J-POPの気に入った曲に挑戦してきた。GARNET CROW、相対性理論、スピッツ、Judy and Marryなど、仕事の合間での練習でスローペースながらも、少しずつ進歩している。
芸術は魂の栄養である。今後とも継続したい。
ということで、全体としては、7割ぐらいの達成率という感じか。目標レベルの高くなっているので、どうしても達成感は下がってしまう。

■2013年、何をするか?

今年、やっていきたいこと。

(1)筋のよいものの見方ができ、それを使って他者と話ができる人を増やす

ロジカルシンキングでは、考え方の方法論(スキル)を提供してきた。しかし、その方法論を、実際のビジネス、実際の社会のできごとに当てはめて、的確に使うためには、筋のよいポイントで使う、意味のあることに使う、という視点が重要になる。
目の前の仕事を片付けるために論理思考を使うことが最初の段階だとしたら、今やろうとしている仕事は本当に意味があるのかを論理的に考えるのが、筋のよいポイントで論理思考を使うことだ。目の前に並んだ肴が放射能に汚染されていないかを考えるのが最初の段階だとしたら、放射能汚染の食材が社会に出回るのはなぜか、的確な理由を考え、それを解消する方法を議論するのが筋のよい考え方だ。これまでは、論理的に考えられていさえすれば一定の結果が出ていると考えられた。しかし、その点に留まっていては、ここが持ち場でがんばることはできても、本質的な結果にはつながらない。「詳しいことはわからないけれど、いま自分がやるべきことをやる」という態度は、一見主体的でいいように見えるが、実は知的能力の半分を放棄していることにつながる。「足りない半分」とは、自分が考えたことを人に伝え、相手とやりとりしながら合意をつくるという態度だ。自ら考え、何かに気づいた人は、現状では自分がそうだと思っているだけで、人に伝えようとしないことが多い。人に伝えても、相手の反応は見ず、「自分はこう考えている、でもそれについては議論はしません、気に入ったら賛同してください」という態度になることが非常に多い。この結果、仕事でも社会でも、行動が孤立化し、個室に引きこもっているか、表に出たとしても、人通りに壁新聞を貼っているだけで、通行人とのやりとりが発生しない。発生しそうになっても拒否して黙っている。スマートな態度のように見えるが、自分の主張を否定され、傷つくのを恐れているだけなのだ。しかしこれでは、考えたことが自分の中に留まって実現できないし、できるとしても自分にできる範囲のことに留まる。本当にやらなければならないことは、仕事上のことでも、社会のことでも、簡単には理解されない。理解されるためのコミュニケーション=話し合うことを拒否している限り、ビジネスも、社会も変わらない。

a.論理的に考えられること
b.これまでのファクトをベースに筋のよいとらえ方、発案ができること。

c.それを人に話し、議論し、巻き込めること。

a.はロジカルシンキングを学ぶことでできるようになるが、b。は<おとなの社会科>の領域だ。c.両者の合わせ技となり、論理的な議論とファシリテーションのマインドセットと技術が必要になる。

今年はこれを体系立てて進めていくための最初の年にしたい。

(2)やるべきことと収入とのバランスをとる

これまでもずっとそうだが、僕のように自分がやりたいこと、やるべきと思っていることを(最優先ではないにしても)、一定量、やっていると、それが収入に直結するとは限らないため、やっていることの量と収入とのバランスが崩れがちだ。持続可能性のためにも、バランスは重要である。

ところが、収入の柱としての研修は、ここ数年以前にも増して、秋に集中する傾向が強くなっている。多忙な時期は機会損失が出るほどなのに、それ以外の時期は収入的に不足する傾向が出ている。特に年初から数か月の仕事量が不足しがちであり、これを読んだみなさん、この時期の仕事(ギャラ付き)は特に歓迎です。

(3)余剰を排除し、生活をシンプルにする

昨年は、ため込んだものをいろいろと処分した。最大は、本。紙の本を大量に持っており、主に六兼屋の書庫に入れてきたが、それもあふれるようになって、デジタル化を決断した。今年1年で638冊本をデジタル化(スキャンしてPDF化)し、数千点の雑誌記事などをライブラリ化した。

PC環境をダウンサイジングして、軽量のウルトラノート1台にした。それまでは、東京、六兼屋両方にデスクトップPCを置き、モバイルPCを別にもって、管理が複雑になっていた。ウルトラノートの性能が上がったこともあり、デスクトップPCは廃止して、1台もちとした。データ保管用にファイルサーバを運用していたが、これもNASサーバに変え、PCサーバは廃止した。通信環境も携帯1台(テザリング機能)に集約した。今年も引き続き、ダウンサイジングに取り組んでいく。

(4)ギターは対応力をつける

ギターは、この年末年始で、家族バンドで1曲極めるべく練習したこともあり、いろいろな意味で新しいフェーズには入ることができた。今年は、曲を弾きこなせるだけでなく、アドリブを使って、初見の曲を弾くような対応力をつけていきたい。これがやりやすいのがギターという楽器の特徴でもあり、習っている師匠もこの分野に強い人だ。どんな楽曲であっても、正確に弾くことは、おおいに実力をつけてくれるし、満足感も高い。しかしそれだけでは、練習した曲しかできないし、練習した曲もしばらくすれば忘れてしまう(思い出しやすいにしても)。初見の曲をそれっぽく弾けるのもまた、音楽のたのしみ方のひとつだ。

例によって長くなってしまいました。多分に、自分のために書いているので、ご容赦ください。
今年も多くの人の協力を得ながら進んでくことになります。ぜひ、共感していただける方に集まっていただきたく、よろしくお願いします。
2013/01/04 @快晴の六兼屋

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です