02nd 1月2003

2003年 新年のごあいさつ

by paco

あけましておめでとうございます。paco/渡辺パコです。今回も例年にならって、web上でのごあいさつです。

■2002年は「論理思考」の年

2002年は、ここ数年を上回るよい年になりました。昨年のレビューとして書いておかなければならないのは、はやりなんと言っても「論理力を鍛えるトレーニングブック」「同<意思伝達編>」のヒットです。両方合わせて20万部を超えるヒットになり、昨年のビジネス書分野でトップ3に入る実績を上げました。

これをきっかけに、関連の仕事が増えた1年でもありました。まず、「論理力」の版元のかんき出版が運営しているeLearning事業「かんきビジネス道場」にコースを開発して提供しました。「論理力」と「意思伝達編」の2コースあります。

eLearningについてはまだあまり知られていないようなので、少し説明しておきましょう。紙のテキストを読み、問題を解いて封筒で返信すると、添削とスコアが戻って来るというのがいわゆる通信教育ですが、これをインターネット上でやってしまおうというのがeLearningです。受講申込をすると、専用のIDとパスワードが送られてきて、それを受講生サイトに入力すると、自分だけの勉強スペースになります。

かんきビジネス道場では、本とのセットが原則なので、本をまず読み、基本を理解した上で、web上では演習を中心に進みます。採点を自動化する都合上、ほとんどが選択式なのですが、選択式でも難しい問題はいくらでもつくることができて、特に「意思伝達編」の方はかなり難しくなっていると思います。

かんきビジネス道場のあと、ライトワークスから同じようなeLearning開発依頼があり、これも論理思考のテーマで1コース開発しました。こちらはまだ正式公開の段階ではないのですが、すでにプレ営業が始まっています。

eLearning自体でクリシンや論理思考がすごくできるようになるということはそれほど期待できないのですが、「用語」が確実につかめること、「何をするのか」がわかるので、基本の理解には効果的です。かんきビジネス道場では、本とeLearningに加えて、リアルでの企業研修をセットにしていて、この形での研修を2社行いました。eLearningをやってもらっていたので、導入部分はずいぶん効率的になったと思います。

他に、コンサルティング案件として、ナレッジマネジメントの領域が加わり、某社のためにリアル、バーチャルのKM導入のアドバイスを行ってきました。成果が判断できる段階までいっていませんが、こちらのレビューはこれからやっていくつもりです。

■北海道ツアー

2002年のトピックで忘れられないのは、北海道ツアーです。もともと、札幌での論理思考の講演依頼があったので、これ幸いと家族で北海道ツアーを敢行したのが8月。知恵市場でスタッフをやってくれていた森末さんが道東の弟子屈町(てしかが)にたてている新居の完成が間近ということで、そこを見にいくことが目的です(写真は完成間近の森末邸)。

道東は、日本のアラスカという感じで、豊かな手つかずの自然が圧倒的に大地の上に広がり、そこに人間が張り付くように暮らしています。50年前なら、人間は自然の猛威にさらされながらかろうじて生きていたのでしょうが、21世紀の今は、丈夫な家と強力な暖房のおかげで、肩肘張らずに極寒の冬をやり過ごせる地域になっているようでした。

八ヶ岳の冬を知っている僕としては、真夏に訪れているにもかかわらず、真冬の道東の寒さがひしひしと感じられて、ある意味、観光旅行気分とはちょっと違っていたのですが、北海道らしさがたっぷり味わえた1週間でした(写真は釧路湿原)。

道東のあとは本題の札幌セミナー。札幌の企業から研修担当者が30名ほど集まってくれて、論理思考の基本を説明したのですが、なんとなく元気がないのは、どこも同じという印象。まあ、札幌は拓銀の破綻依頼、雪印の不正経営もあり、いいことは何もないという感じではあります。タクシーに乗って運転手に状況を聞いてもいい話はまったく出てこないのですが、でもだからといって北海道で餓死者がでたという話を聞いたことはないし、これってなんだろうな、本当に悪いのかな、という気がしました。そもそも景気だとか状況だとかを判断する基準が間違っているのではないか? 経済指標には現れない豊かさの指標が必要になっているのではないかという気がします。

■中国・アジアの時代?

TVのレポートなんかを見ていると、中国企業がASEANに、ASEANの企業が上海に、という感じで相互に経済依存が始まっているようです。こういった状況に乗っている企業経営者は、口をそろえて「一気に売り込むチャンスです」というのですが、安ければテレビが売れる、後発だから農村部に安いテレビを、といったわかりやすいマーケティングで、大量生産のものが売れるという簡単な構図に、なんだか牧歌的なものを感じてしまいます。すでにそういう時代は、日本ではどうやっても戻ってこないのだということが実感されるのでした。もう絶対戻ってこない。この自覚はしみじみと日本人の間に広がることは、意外に意味があるような気がします。

■2003年、前半は環境に集中

さて、今年の話。今年は1月下旬に次の本が出ます。「人生に役立つ論理力トレーニング」というタイトルで、幻冬舎から。1200円。初版10000部超という強気の幻冬舎なので、期待していますが、こればかりはふたを開けてみないとわかりません。

タイトルは、前二作と似ているし、つくりも共通しているのですが、書いている方としてはスタンスがまったく違っていて、前二作はあくまでもお勉強のテキスト、今回の本は読み物です。論理思考って、意外にいろいろな分野に使えるんだなということを「発見」してもらうのが目的で、実際にできるようになるかどうかは、かならずしも期待していません。

という論理思考の話は僕としてはすでに執筆が終わっている話で、去年のこと。今年前半は、環境問題に積極的に取り組んでいく予定です。論理力の本が売れて、不労所得が多少なりとも残ったので、それを使って環境の方に貢献、もしくは投資してみようと言うわけです。もちろん、この分野でもちゃんと金銭的に持続可能になることはねらいますが、ほかの仕事よりリスクがある、ということですね。

まず予定しているのが、企業向けの環境経営の教科書。たとえばISO14000の認証取得の担当者とか、風力発電や太陽電池パネルような環境製品をビジネスとしている担当者などに向けて、地球規模の環境問題と、その解決のために企業が果たせる積極的な役割を原理的に解説した本を書こうと思っています。以前から知恵市場コミトンで書いてきたような「企業をコスモクリーナーとして使う」というコンセプトを、企業ベースに翻訳するような内容にする予定です。

この本をベースに、eLearning教材の開発につなげる予定。環境対応をする企業はどこでも、「なぜ当社が環境問題に取り組むのか?」を社員に伝える必要に迫られるわけですが、この部分はどの会社も基本的に同じことを説明しているはずです。「環境問題とは、たとえば温暖化問題があり、……」というようなものです。この部分を、前述の本と合わせて、わかりやすい学習ツールに落とし込み、社員教育用に使ってもらう。たとえば新入社員の入社前研修に必須にすれば、入社後の研修は、共通理解のもとに、「当社ではまずゴミの分別から取り組んでもらいます」と説明できます。環境教育の担当者の手間は省き、本質的な部分に力を割けるようなツールにできないかと思っています。

ほかにも、より経営よりの「環境戦略」のセミナーや執筆なども考え中。

知恵市場主催でワークショップもやろうと思っています。実は昨年9月に、「里山で考える持続可能社会」というテーマで、ワークショップを開きました。六兼屋@八ヶ岳で。総勢17人が集まってかなり盛況だったのですが、これをもとに、よりビジネスに使えるように、具体的な事業のフィージビリティを行うようなものにしたいと思っています。たとえば、風力発電事業が本当にビジネスになるとしたら、それはどのような条件がそろったときか、その条件をそろえるためになにができるか?といったことを、いくつかのパートで考えてみたいと思っています。興味のある方は、ぜひ参加してください。

のいずれかをしておいていただければOKです。

このあとは夢の部分ですが、こういった検討の中から、自分が何かしらの環境事業を興せるといいなあと思っています。たとえば、里山保全とエネルギー供給が同時にできるような事業を立ち上げる、といったことです。

■論理思考→生き方

もうひとつ、今年前半から中盤にかけてのテーマは、論理思考の応用についてのトライアルです。昨年末に知恵市場ワークショップ「論理思考クリニック」を開いて、12名の方に集まっていただいたのですが、これを今年も引き続きやっていこうと思っています。このワークショップは、論理思考を、自分がやりたいことをやるために活かす、をテーマに、自分が一番やりたいことを論理的に考え、実践するためのアドバイスを行っています。

こちらも興味がある方は、上記のワークショップと同じいずれかの方法でコンタクトがとれるようにしておいてください。

と、いろいろとやっていこうと思っていますが、特にワークショップなどのリアルなアクションの舞台として、知恵市場を活用してきたいと思っています(ワークショップなどの告知は知恵市場コミトンメンバーが優先)。いっしょに刺激を受けたい方、ぜひ知恵市場の有料サービスをご利用ください(と、宣伝する)。

■六兼屋は?

さて、最後にちょっとだけ、デュアルライフのことを。

2001年1月にオープンした六兼屋での生活は、とても自然に僕の生活になじんでいます。去年はワークショップに使ったりしていましたが、今年も山仕事を実際にやるようなワークショップを、六兼屋で開こうかなと思っています。来客も多く、東京にいるのとは違う人付き合いができるのでがうれしい。

少しここでの生活の情報発信をしようと思い、新しいサイトをつくりました。「まるやまうぇぶ」です。従来の六兼屋情報のサイトは解消し、六兼屋と東京のどちらにいるかの情報も、ここに集約させました。写真やライブカメラの映像ものせていくので、お楽しみください。

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こうして書いてくると、やっぱり今年も欲張りな年になりそうだなあ。どこまでできるかわからないけれど、いろいろな人との新たな出会いを楽しみにやっていこうと思います。

★そうそう、最後になりましたが、有限会社水族館文庫のサイトを全面リニュアルしました(ようやく!)。リンクをたどって、一度ご覧くださいませ。

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