02nd 1月2008

2008年 新年のごあいさつ

by paco

(by paco)あけましておめでとうございます。2008年、今年も、僕と接点をもつ皆さんに、たくさんが充実した時間を過ごせますようにお祈りしています。

さて、恒例の新年のメッセージです。今年は一段と長くなりそう。いつもは前年のレビューをしてから今年の話を書くのですが、今年は先に、これからの話を書いてから、去年のレビューにします。

■2008年の、「今」を展望

年初ということで、ざっくり世界の今を展望したみたいと思います。

まず今年2008年というと、京都議定書の責任期間の開始ということで、2012年前での4年間の平均で、6%マイナスというのが日本の約束です。この約束の主体は政府にあるのですが、政府は議定書の公約は、実質的にほぼすべてCDM(Clean Development Mechanism=途上国で温暖化防止プロジェクトを行った分を、日本の排出削減にできる)を買ってすまそうという方針なので、要するに、金を出して途上国での削減効果を買い取るというのが日本のスタンスです。えっ?それでいいの? 日本国内でいろいろ削減努力をするのと、海外、特に途上国で努力するのとでは、途上国でやった方がはるかに投資効率がいいのですね。効果が大きいなら、地球規模の問題の解決のためなんだから、国内でやらなくてもいいじゃないか、というのが役人の考えなのです。

http://www.chieichiba.net/blog/2007/01/post_32.htmlこれにはいろいろな意見があるわけですが、もちろん僕個人はこれでいいとは思っていません。京都議定書では、このCDMは、国内での削減を補完する役割と位置づけられていて、CDMをメインにするというのは趣旨に反しています。国内でやるべきことをやっているのかというと、これはNOで、やるべきことをほとんどやっていない、どころか邪魔してばかりというのが日本の行政のスタンスですから、容認できるものではありません。

これに対して、東京都や横浜市など自治体が積極的に動き出していて、自治体初の動きが成功して、国の行政に取り入れられるというのが、日本だけでなく、世界的にも「パターン」になっています。今年は、東京都、横浜市、京都市など、自治体初の温暖化防止策が注目を集め、勝つ実効を挙げていく最初の一歩になると思います。

ちょうど年末に発表になったニュースによると、今年は北極海が1年中結氷しない事態になりそうという予測がでていました。温暖化対策は待ったなしという状況ですが、だからといって無理をごり押しするのは自滅行為なので、社会的な合意を作りながら、急ぎつつ実行に移す必要があります。

その一方で、国際政治はけっこう気になる動きがあちこちに出ています。今年は北京オリンピックですが、環境悪化がひどく、水不足や食糧の質の悪化で、倒れる選手が続出するのではないかという悪い予測もでています。うまく実行できるか、注目です。もし北京オリンピックで選手の大量リタイアなどが起これば、中国の共産党政権の面目は丸つぶれになり、中国は政治的に混乱に陥る可能性もあります。かつての春秋戦国や五代十国時代のように、いくつかの政権に分裂して、別々の国に分かれてしまう可能性も否定できません。中国の発展に注目する人は多いのですが、基盤はとてももろいので、崩壊の危機も内包していることを忘れては行けないと思います。

国際政治では、西アジアが流動化していて、年末にパキスタンのブット元首相が暗殺されたことをきっかけに、かろうじて親米政権が維持されていたパキスタンがイスラム原理主義的方向に傾くと、パキスタンの影響の強いアフガニスタンが再び原理主義に傾き、その西隣のイランの影響力が増していくことになりそうです。イランの西にはブッシュ政権がぶちこわしたイラクが混乱状態ですが、ここがイランの影響下でじょじょに安定し、更にその西のシリア、レバノンも原理主義的になっていくという、いわゆる「中東ドミノ」が、一気に進むかもしれません。米国の後ろ盾を受けて、中東最強国のポジションだったイスラエルは、米国のイラク撤退で弱体化され、一気に攻め込まれて国家が崩壊し、地中海に追い落とされてしまう可能性もあります。こうなると、サウジアラビアからエジプト、北アフリカ諸国までが一気にドミノ倒しになり、インドネシアからモロッコまでの一大イスラム圏が誕生する可能性も指摘されているのです。8?9世紀にかけて、この地域はイスラム教を軸に大サラセン帝国が支配し、強力な文化圏を作っていたのですが、それが21世紀に復活することも十分あり得るのです。2008年は、その最初のひとこまが動くかもしれません。中東は、目が話せません。

もちろん、忘れてならないのは、2008年は米国の大統領選挙の年だということ。民主党政権が誕生する可能性はとても高いわけですが、ヒラリー・クリントンが苦戦しつつあり、小浜という有色人種が初の大統領になるという事態も考えられ、唯一の覇権国、米国がこれからどこに向かうのか、これも今年の大注目点です。

ということで、2008年は、一見安定に見える裏側に、混乱に向かう可能性が透けて見える年になりそうです。ちなみに、日本では平成20年。もし昭和なら、20年目に日本は大敗北を喫して、亡国の憂き身に逢います。平成の20年目、日本は今の地位を守れるのか、世界の動きと合わせて、日本がどう動いていくのか、という視点も是非持っていてください。
■2008年、これから何をする?

世界の動きはそれとして、僕自身は何をしていこうかなということを書いてみましょう。

☆横浜市の環境政策、実行段階へ

横浜市では去年は、コンセプトワークを中心に議論してきました。コンセプトワークといいつつも、温暖化防止というテーマに対しては、他の都市もやっているオーソドックスな打ち手がいろいろあるし、議論をしていいるヒマがあったら、実行に移せという人もいるわけですが、やはりコンセプトを明確にして、やるべきこととそうでないことの区別をきっちりつけておくことが重要です。それによって、いざ実行段階に入ったときに、拡散しないですむ。

大きなコンセプトとは、(1)政策イノベーション、(2)再生可能エネルギーのより大きな導入、(3)知の蓄積と情報スパイラルを起こす、の3点です。(1)は、地方自治体が打ち上げる斬新な政策が評価を受け、実績を作ることで、他の自治体や中央政府、さらに他国に影響を与えていくというメカニズムで、環境問題の優れたアクションは湖の流れでおきています。(2)は、いうまでもないことですが、脱石油、脱石炭、脱天然ガス。化石燃料を使わないエネルギーを以下にたくさん使っていくか。(3)実際の実行はプロジェクト単位にいろいろなステークホルダーが関わることになるわけですが、実行することによって得られる知見を関わった人の中に蓄積し、次のアクションにつなげること。

この3つは、実は僕が尊敬する環境リーダーの飯田哲也さんが提唱しているコンセプトそのもので、残念ながら僕のアイディアではありません。ただ、もともとこの政策分野では、飯田さんの知見が世界トップと見ているので、僕は彼のアイディア菓子の中で実行に移していくための触媒の役割をはせればいいと思っています。

それと、飯田さんのコンセプトの中には「省エネルギー」と「市民の巻き込み=市民へのプロパガンダ」の視点が欠けていると見ていて、このふたつが有効かどうかという点で、僕の見解と彼の見解は分かれています。立場の違いということですね。このふたつについては、飯田さんのコンセプトと共存しつつ、横浜市を舞台にアクションをとっていきたいと思っています。

4月からの新年度に向けて、市の予算や人材配置も検討されているので、環境アクションで世界から注目される横浜市になるべく、いろいろ手を打っていくのが今年の大きな課題になります。

それともうひとつ、去年までは、助走期間ということで、基本的に無償でやってきたのですが、今年は政策の中のプロジェクトに、「仕事」を位置づけて、僕や環境リレーションズ研究所が稼げるポジションも確保していかなくては。これが一番難しかったりして( i_i)?(^。^ )

☆D社働き方の変革プロジェクトも佳境へ

3年目に突入の「働き方プロジェクト」も、拡大のフェーズに入りました。1月2月で大きなアクションが続くので、体調管理をしっかりしつつ、本格的なチェンジアクションに貢献したいと思っています。

☆プラスグループの環境経営のアドバイザー

去年末から関わっているプラスグループも、今年はよりの密度濃く関わる予定になっているので、横浜市で学んだ政策の考え方をフィードバックしつつ、最短で環境成果が出せる経営戦略に貢献したいと思っています。こちらは、ちゃんとした仕事です(^-^)。

☆ロジカルシンキングの新しい本、さくっと

ロジカルシンキングの新しい本は、今ちょうど書いているところなので、さくっと書き上げて世に問いたいと思っています。といっても、仕上がらないことには話にならないので、がんばって書かなくちゃ。何冊書いても、本を書くというのはプレッシャーです。本だけでなく、研修の方もこの新路線でやっていきますが、今年は僕の研修をやってくれる講師がさらにひとり加わって、大川恒さん、音羽真音さんの3人体制で、同時並行のクラスにも対応できるようになります。彼らの講師としての力量アップも含めて、研修もしっかりやっていきます。

☆「ヤマガラの森」も、さらに楽しく

「ヤマガラの森」は、2月3月もイベントの予定はありますが、やはり本格的にはゴールデンウィーク以降が山シーズン。去年講評だったバウムクッヘンもまたやりたいし、草刈りも今年は大変そうなので、しっかりやらなくちゃ。といいつつ、みんなで楽しむのがいちばんなので、ぜひ遊びに来てください。そうそう、「たこ焼きやりませんか?」というアイディアももらっているので、これもどこかのタイミングでやりたいと思います。音楽やアート展も、山を舞台にやりたいな。

☆旅行に行きたいな

ここ数年、旅行というと六兼屋か仕事がらみということが続いていたので、純粋な旅行に行こう、と家族で話しています。せっかくクルマも新しくしたので、六兼屋を拠点に、これまで行っていない国内を、数泊ずつという感じで旅してみようということで、中部から北陸、関西あたりが中心になりそう。おすすめの場所があれば教えてください?!

☆Life Design Dialogue

このところ、あまりライフデザインについては書いていませんが、新しい人も加わって、ダイアローグは続いています。

エコ系の企業を経営するOさん、会社を辞めて起業しようかというYさん、ベビー誕生でさらにがんばりそうなSさん、クラフトをやるべく八ヶ岳に引っ越してきたMさん、本のアクションを続けているKさん、事業の形態の変革を続けてきて、そろそろ大きな転換が果たせそうなKさん、就職した最初の会社を「卒業」したいといっていたTさんもこれからが楽しみです。

個別のアクションを支援するという形ですので、僕と話してみたいという方は遠慮なくメールをください。あなたの希望の形でお話しさせていただきます。

☆スノボ/音楽/クルマ/写真

僕自身の趣味の世界といえば、この4つ、かな。スノボシーズン到来なので、そろそろうずうずしているところですが、2年目、「滑れる」から「うまくなる」に移行したいところ。もちろん「ケガなく」。音楽は、アコギからエレキに移行しようかなと物色中。写真は、「レンズ買い」楽しみも一段落して、さらにどんどんとっていきたいと思っています。クルマについては、たくさん書けそうですが、知恵市場でまた書いていくので、見てください、ということで省略、っと。
ということで、ここからは去年のレビューです。

■2007年、何ができた?

1年前の「ごあいさつ」記事には、こんなことを書いていました。
さて、結果はどうなったかというとこんな感じです。

☆[Sustainability]里山保全プロジェクトが始動

プロジェクトは無事に進行できて、土地の買収も完了、植林もできて、木も順調に育っています。木をうえて育てるという行為が、こんなに楽しみなことだったのだということを、改めて実感しています。植林も、延べ100名を超える人が来てくれました。

☆[Life Design]臨床哲学としての「働き方」

一昨年2006年秋から始まった、D社の「働き方の変革」プロジェクトは、2007年に一部(といっても、けっこうな人数が対象)で試験実施を行い、当初の「うちでは無理」という声をよそに、なかなかよい評価を受けて成功させることができました。誰だってワーカホリックで自分の生活を壊したくはないし、納得できる働き方をしたいという気持ちはあって、どうやってそれを実現するか、地道な活動があれば、変えることができるのですね。関係者のワークショップ、具体的な行動計画をつくる「アクションプラン」、問題があるセクションに対するフォローアップとコンサルティング、そして開始前から一定期間経過後のメジャメント可能なレビュー。現場でやることは、いつもきめ細かで戦略的なアクションをやりきりることだけです。

☆[Logical Thinking]地域活性化に、論理的な思考を

2006年に総務省の阿部守一君から誘いを受けて始めた「政策実現塾」。地方自治体の政策立案と実行力をつけるための支援を使用と始まったプロジェクトですが、発起人の阿部君が横浜市副市長(中田市長による任命)に就任したことから、このプロジェクト自体は自然消滅状態ですが、阿部君の担当が環境関係になったことから、場を横浜市の環境政策に移して、より具体的に進めることになりました。いわゆる「地方自治体の活性化」というには横浜市は大きすぎるのですが、それでも抱えている問題そのものは同じ構造をもっています。去年の、特に後半は横浜市にアクションを起すためのあの手この手を打ってきて、どうやらそれも形になってきました。僕の役割は特に大きくはないのですが、それでも要所要所で貢献できたのではないかと思います。

☆[Life Design]環境で仕事をしたい人、自分のやりたいことがある人を積極支援

去年書いたときは「エコ就職支援」を考えていたのですが、結局実行したのは、「エコ・エグゼクティブ講座」で、環境面でコトを動かせる人を育てることを狙って、10月11月と実施することができました。12月はできなかったのですが、1月17日からまた今年も続けていきますから、ぜひ参加してください。

☆[My Life Design]本を書く/音楽/戦争と平和/からだ

他にやっていきたいこととして、こんな4つを上げていたのですが、「本」は、今ちょうど書いています。去年はその準備をしてきたというところですね。音楽は、前半はインディーズの曲をたくさん聴いて、ライブに行けたのでよかったのですが、後半息切れ感が。でもギターを弾く時間もすこしできたし、よかったかな。戦争についての研究は、もちろんまだ道半ばですが、今年もたくさん本を読み、情報を集めました。僕としては満足しています。そのうちに、成果を発表したり、誰かに伝えたりできるといいと思っています。体のほうは、あまり成果は出ていないのですが、今後の課題ということで。

ということで、去年の年始に「これをやろう」と思っていたことは、ほぼ実現できた1年でした。そういう意味ではなかなか満足度の高い年だったといえます。

去年、計画していたこと以外にもいろいろありました。

☆エコプロ展でしゃべる

年末、エコプロダクツ展でトークショーができたのは、なかなかうれしいできごとでした。プラスグループの出展のコンサルティングをする機会を得たので、その延長で話したのですが、僕としてはこれはけっこううれしい機会でした。

☆写真をたくさん撮る

2007年のトピックとして忘れてならないのは、写真です。ちょうど1年前の1月、僕にとっては10年ぶりぐらいに手に入れた一眼レフはデジタルのPENTAX K100D。その後、上位機種のK10Dに買い換え、レンズをたくさん買って、写真をたっぷり楽しみました。今みたら、去年1年で撮った写真は17000枚、42GB分ありました。作品と呼びたくなるようなものもたくさんとれたので、[写真館]もはじめたので、まだ見たことのない方はぜひ見てください。

☆ロジカルシンキング研修、リニュアル

僕の仕事の大事な柱のひとつ、ロジカルシンキング研修は、今年もたくさんやりました。今年のトピックは、研修カリキュラムをほぼ全面的にリニュアルできたことで、学ぶべき内容を厳選し、よりシンプルに、より「使える」ないようにできたと思います。これまであちこちで教えてきたノウハウを結晶化させて仕上げた研修の特徴は、僕が自分で描いた「手書きテキスト」を使うことで、堅苦しいロジカルシンキングに親近感を持ってもらいつつ、ポイントをつかめるようになっています。この手書きテキストをベースに、今本を執筆中で、ロジカルシンキングの一番簡単なテキストを、春ごろに出版できればと思っています。
★すっかり長くなりましたが、読んでいただき、ありがとうございました。

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